食欲の秋」と言われるこの季節。秋刀魚、かつお、松茸、栗、梨、柿・・・等々、美味しい食材を食べる楽しみが増える季節ですね。しかし、特別な猛暑と言われた今年の夏を過ごした皆さんの中には、夏の暑さの疲れから、自律神経が乱れて胃腸の調子を崩してしまった人も多いのではないでしょうか。胃腸は食べ物の消化・吸収に働く臓器であると同時に、腸内環境を良好に保つことによって、体の免疫力を向上させ、健康を維持する働きもあるのです。体の免疫力の7割を腸が担っているとも言われており、崩れた胃腸の調子を今のうちに回復させておくことで、免疫力を上げて、風邪をひきやすくなる秋から冬の季節を元気に過ごすことができますよね。
徐々に冷えと乾燥が増してくるこの時期の腸活のポイントは、三つ。
一つ目は、冷たい飲み物・食べ物は避けて、胃腸を温めること。衣服で体を温めても、内臓が冷えてしまっていては消化力が低下してしまいます。
そして、二つ目は、食事の時はよく噛んでゆっくりと食べること。しっかりと噛むことで、胃腸に入った食べ物を消化しやすくして、消化・吸収の働きを助けてくれます。また、「早食い」や「ながら食べ」は消化力を下げてしまうので、ゆっくりと食事の時間を取ることをお勧めします。
最後に三つ目は、食事・運動・睡眠において、規則正しい生活を心がけ、自律神経のバランスを整えること。腸内環境の乱れは、自律神経の乱れにつながり、体の不調を引き起こします。また、自律神経のバランスの乱れは、胃腸の不調を招いてしまいます。
そこで、秋の腸活に取り入れたい食材は、今がまさに旬の食材である、秋刀魚、栗、松茸など、薬膳的に健胃、血の巡りをよくする効能のあるものや、乾燥が気になる秋から冬の時期には、風邪の予防にもなる、乾燥した体を潤してくれる根菜類や白きくらげ、梨や柿などを取り入れるのも良いでしょう。人と集まる機会も多くなる年末年始に向けて、胃腸の調子を整えて、健康な体を維持していきましょうね。